『懲役339年』
作品名:懲役339年
ジャンル:ファンタジー
作者:伊勢ともか
巻数:全4巻
完結:2015年
【ゲンペーの一言】
人の固定概念を打ち破る瞬間を垣間見ることができる壮絶ドラマティックストーリー!
オススメ度:★★★★★
この記事は約3分で読めます。
しっかりとしたメディアミックス商業展開をすれば、日本中に感動の渦が巻き起こります。
間違いなくそういうレベルの作品だと思っています。
~あらすじ~
“教典”に記された神の教えを真理とする国。“魂の輪廻”・“生まれ変わり”も、この国の人々にとってはひとつの真理であった。自らの犯した罪により、懲役339年もの途方もない刑を課せられることとなった大犯罪者・ハロー。彼は20年服役した後死亡するが、319年もの刑期を残した魂は未だ浄化されておらず、すぐさまハローの“生まれ変わり”とされる赤子が、同じ監獄に収監される。永い年月の中、幾人かの“ハロー”とそれを取り巻く人々が紡ぐ物語。ウィキペディアより引用
刑期を終えずにその人物が死ぬと、別の人間に引き継がれるという設定がこの世界にはあるようです。
それは自分の血縁ではなく、次に魂が入った肉体の人間です。
魂は同じでもその肉体は前世の記憶はなく、生まれた瞬間に何もわからないまま刑期を引き継ぐ。
引き継がれた赤ちゃんはたまったもんじゃないです。何も悪いことはしていないんですから。
この話は、全4巻という非常に短い巻数ですが、物足りなさは感じません。
そもそも物語で一番きれいにまとまる巻数は大体10巻程度だと思います。
それ以上はマンネリ、引き延ばし、別のストーリー感、などを感じさせるため、
作品自身には良いことはありません。ですが、商業的には違うんでしょうね(笑)
懲役339年は、正直言って画力的にはかなりレベルが低いと思います。
最終的にはグンっと力をつけてきていますが、プロ漫画家からしたら、まだ伸び代がある段階です。
しかし、その画力を差し引いても、そのストーリー力に気持ちを持っていかれてしまうんです。
人は生まれてくると、親などに教育されて、成長していきます。
親から教わったものは「正しい」と、まだ幼い精神ではそう理解します。
そう理解する事しかできないんです。疑問に思うまでの経験がないから、それが普通です。
しかし、その「普通」が「信じ込んでしまっている嘘」だったらどう思いますか?
「普通」=「嘘」≒「事実」になってしまうんではないだろうか。
「地球は丸い」
「宇宙には酸素がない」
「宇宙人はいない」
生まれた時から、教えられた事実ですよね。
でも、それって実際に確認したことはないですよね。
そう考えると色々信じられなくなってきます(笑)
そういった人間の気持ちの変化が描かれています。
王道漫画とはちょっと違いますが、高校生以上の大人にオススメの漫画だと思います。
そのほかの作品はこちらにまとめています。